高校バスケットボール界には、毎年チームを全国大会に導く有名な指導者がいます。
その中でも、超有名な方はその指導方法や指導哲学を紹介する本を出版しており、それらの本を紹介させていただきます。
具体的な練習方法の紹介あり、指導の考え方の紹介あり。
バスケの指導者の方や、指導者を目指している方は一読してみてはいかがでしょうか。
- 中学高校のバスケ指導者
- バスケ指導者を目指している人
- バスケと読書が好きな人
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今回紹介する本でも対象があります。
走らんか! 福岡第一高校・男子バスケットボール部の流儀 井手口孝著
近年の男子バスケ界で素晴らしい成績を残している福岡第一高校・男子バスケットボール部監督の井手口孝氏のバスケ指導についての考え方が語られた本。
全国大会常連で、インターハイ4回、ウィンターカップ4回の全国制覇を成し遂げた指導・教育哲学が詰め込まれています。
もともとバスケットボール経験者で指導者を目指していたようですが、福岡第一で男子バスケットボール部の監督にたどり着くにはいろいろな紆余曲折があったようです。
そもそも井手口氏が福岡第一に赴任した時には男子バスケ部がなかったというから驚きです。
今となっては強豪校ですが、1994年に井手口氏がゼロから築き上げたことがわかります。
少しずつ実績を上げていき、留学生を受け入れたり、福岡第一でプレーしたいという生徒も増えて今では全国大会上位が当たり前の高校となりました。
福岡県の男子バスケと言えば、福岡第一と福岡大付属大濠の2校がライバルとしてしのぎを削っています。
2019年のウィンターカップ決勝では史上初の福岡県対決が実現したほどです。
バスケの関係上でもライバルですが、どうも政治的な話でもライバルのようで……、そんな関係性も垣間見えます。
本書で井手口氏は、バスケ部の監督の前に一教育者としての考えが強く、生徒を一人の人間として育てるという考えが随所に感じ取れます。
もう少しで定年を迎える井手口氏ですが、後継者も考えているようで、今後の福岡第一にも注目です。
福岡第一高校出身のプロバスケ選手は、河村勇樹(横浜ビー・コルセアーズ)、並里成(群馬クラインサンダース)、鵤誠司(宇都宮ブレックス)など多数。
これからも福岡第一出身のBリーグで活躍する選手が出てくるのが楽しみですね。
日本最高峰のバスケ学 井上眞一著 三上太編成
女子バスケの名門桜花学園のコーチである井上眞一氏の自伝本。
本書は2001年に出版した「勝利にひそむ運と必然」という作品を、再編集した改訂版といえる本です。
井上先生は、コーチとしての全国大会通算70回目の優勝(2022年7月時点)というとてつもない偉業を達成し続けているとても偉大な方です。
バスケとの出会いからコーチ就任までの道のりから始まり、コーチ学や教育論、今後のスポーツ界への期待と展望まで語られています。
スキル的なことについてはあまり触れられておらず、指導法、考え方について強く語られています。
その中でも勝ちにこだわる姿勢が垣間見えます。
コーチは勝つための仕事だと。
また、本書にもたびたび出てきますが、井上先生は
「バスケが好きで、バスケを教えるのが好きで、こどもたちが好き」
この条件がすべて当てはまるので、諦めずに粘り強く教えられるそうです。
これが、長期間強豪を保ち続けた秘訣なのではと思いました。
終盤には2020年東京五輪へ向けての思いも記載されています。
桜花学園の卒業生から5人くらいは出てもらいたいと語っています。
実際は高田真希、三好南穂、馬瓜エブリンの3名が出場を果たしました。
結果はご存じのとおり、銀メダル獲得です。素晴らしい。
女子バスケのリーグはあまり見ていませんが、この本を通じてWリーグにも興味を持ちました。
この選手は桜花学園出身なんだ!と思いながら試合を追っかけるのも楽しそうですね。
バスケットボール 試合で勝てるチームの作り方 田渡優著
東洋大学京北高校バスケ部監督の田渡優氏による、高校バスケでのチームのつくり方論。
田渡監督は、Bリーグで活躍する田渡兄弟(修人:サンロッカーズ渋谷、凌:熊本ヴォルターズ)のお父さんでもあります。
チーム作りの考え方から、基本技術や具体的な練習方法が紹介されています。
チームの作り方という観点においては、3年生が引退し、2年生へとバトンタッチした後の1年間でチームを作り上げていく必要があります。
毎年のチームの特徴をとらえた上で、チーム作りの目標を長期・中期・短期と分けて設定するそうです。
長期は1年間での目標、中期は次の大会までの目標、短期は数日単位での目標。
このような形でチーム作りすることによって着実にステップアップさせていくようです。
その他、チーム連携を高める練習方法や、フィジカルを鍛える練習メニューが具体的に紹介されています。
さらに、1年間の練習スケジュール、日々の練習メニュー、合宿プログラムの例なども紹介されており、指導者が参考になる情報が盛りだくさん紹介されています。
バスケ指導者にはためになる一冊です。
指導者ではなくても、高校バスケファンは楽しめると思います。
WINNING MENTALITY ウイニングメンタリティー トム・ホーバス著
最後に、高校バスケではないのですが……。
バスケットボール男子日本代表ヘッドコーチのトム・ホーバスの本を紹介します。
本書は、トム・ホーバスHCのコーチング哲学が書かれています。
トム・ホーバスHCといえば、バスケットボール女子日本代表を率いて東京オリンピックで銀メダルに導いたことが記憶に新しいでしょう。
この結果を達成した要因がどこにあったのかを自ら語っています。
やはり大事なのは、チーム内での信頼関係が大きかったのだと思います。
トム・ホーバスHCは日本語が堪能で有名ですが、試合中に強い口調で指摘する姿がテレビなどで取り上げられていました。
練習中も同様のことがあるようですが、きちんとその後一人ひとり個別にフォローしていたようです。
さっき言ったことが本当に伝わっていたのかを確認し、しっかりと内容を落とし込んでいたのです。
このほかにも、コーチとしての様々な考え方が記載されており、この考え方があったから東京オリンピックでの銀メダルに繋がったのだと納得させられます。
次は、男子日本代表としてパリオリンピックを目指すわけですが、このコーチング哲学が通用するのか、再現性があるのかが試されることになりますね。
もちろん、良い結果を残すことを期待しています。
高校バスケは頭脳が9割 三上太著
高校運動部の「頭脳が9割」シリーズのバスケ版。
バスケの他に、野球・サッカー・バレー・ラグビーなどがあります。
高校バスケの指導者数名に、指導哲学を取材し紹介する一冊です。
本書では以下の指導者が紹介されています。
- 高橋仁 監督 山形市立商業高校ほか
- 佐藤久夫監督 明成高校(現:仙台大学付属明成高校)ほか
- 色摩拓也監督 尽誠学園高校
- 安江満夫監督 岐阜女子高校
- 近藤義行監督 船橋市立船橋高校ほか
佐藤久夫監督率いる明成高校(現:仙台大学付属明成高校)といえば、日本人初のNBAドラフト指名となった八村塁を輩出した学校です。
色摩拓也監督率いる尽誠学園高校といえば、日本人2人目のNBAプレーヤーとなった渡邊雄太を輩出した学校です。
本書出版時点では、八村選手も渡邊選手もまだNBAプレーヤーではありませんが、後のNBAプレーヤーを育てた指導者を取り上げているというとこは先見があったのでしょうね。
その他、全国でも有名な高校の男子・女子の高校監督の話が紹介されています。
高校バスケの指導者は教師が多く、今回紹介されている監督も教師と兼務している方か、元々教師をされていた方です。
こうした傾向からか、どの指導者の方もバスケのスキルや戦術のみを教えているのではなく、高校生を一人の人間として成長させようという考えが伺える。
本書を読むと、高校バスケの全国大会がより面白く観戦できます。
まとめ
今回は、おすすめのバスケ本の中で、高校バスケの有名指導者に関する本を紹介させていただきました。
高校バスケ指導者は教師兼務が多く、どの指導者もバスケのスキル・戦術のみではなく、人間性の教育も重視しているように思いました。
皆さん試行錯誤し、この位置までたどり着いていることが分かります。
この過程の中で、スキルや戦術だけ教えていてもチームは強くならないということがわかってくるんですね。
他にもバスケに関する書籍を紹介しています。
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以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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